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孝介だより【お話④】

はい。こんばんは。
本日もお読み頂きありがとうございます。
孝介です。

一昨日ぶりのお話の続きです。
どうぞ。

 

いつも通り主催会社に電話をすると
電話口は少し冷たい声の男性でした。
これまでは電話口の対応は女性ばかり
だったのであまり強く言えなかった
青年は男性の声を聞いて安心したのか
これまでより強い口調で不合格の説明を
求めました。

黙って青年の言い分を一通り聞いた
男性はポツリと青年に告げました。

"君じゃダメなんだよ。"

だから何故かと聞いていると
更に強い口調で青年が迫ると
男性は続けて言いました。

"確かに君はうまかったよ。
まだまだだけどね。
しかし確実に今回のオーディションの
中では断トツで。
でもだからダメなんだよ。
僕たちが欲しいのは完成には程遠い
未完成の子だ。
僕たちの育てたいように育てられる
伸びしろが沢山見える子だ。
残念だけど君にはあまり伸びしろが
期待できない。"

もちろん青年は何を言われているのか
理解しようとするわけもなく、更に
反論をしようと口を開きかけた時でした。

"君、そんなにやりたいのなら
1度東京に住んでみたらいい。
こっちには君のように歌手を夢見る子が
五万といる。無論君より上手い子達も
数え切れないほどいるよ。
君がその気なら親子さんも説得して
今ある環境も捨てて来たらいい。"


つづく