孝介だより【お話③】
はい。こんばんは。
本日もお読み頂きありがとうございます。
孝介です。
それでは続きをどうぞ。
勘違いを起こしてから
早数年が経ち、少年は青年になり
大学生になっていました。
ゴスペルがやりたくて決めた大学も
蓋を開けてみればお目当の
ゴスペルサークルは入学した年に
廃部になっていたりと色々なことが
ありましたが、確かに青年の歌は
昔に比べると上手くなっていました。
もちろん勘違いは継続中です。
高校生のあの日を境にオーディションを
何個も受けたり、デモテープを送ったり、
なんとか自分の実力を知ってもらおうと
活動していました。
当然そんな簡単に合格することはなく、
いつも合格の目前で弾かれる。
時には主催会社に文句の電話をすることも
ありました。
"必ず最終選考までは残るのに。。
必ず最終選考の最後の最後で弾かれる。
一体なんなんだ。今回のやつだって
他に受けた誰よりも俺のが上手かった。
そんなもん誰が聴いても判断できる。
なんでなんだ。"
青年は思い悩んでいました。
そんなある日、いつものように
オーディション結果が不服だと
問い合わせの電話をした時でした。
いつもの文句の電話が思わぬ形で
青年の人生を動かしていくのでした。
つづく